金 の な る 木

金のなる木は、南アフリカ原産の多肉植物です。多肉植物全体の傾向でもあるのですが、水やりをあまりせずとも育ち、非常に育てやすい品種です。丸みのある厚い葉が特徴的で、水を体内に蓄える能力が非常に高い植物です。 ぷっくりとした葉っぱが印象的な金のなる木。「幸運を招く」という縁起のよい花言葉をもつ多肉植物です。金のなる木は、その昔「お金がなる」というキャッチフレーズで売られていた多肉植物です。ある商人が新芽のうちに穴の空いた小銭を通しておき、成長すると葉っぱの間に小銭が挟まったように見えたことから名付けられました。

 金のなる木は1年を通して日当たりの良い場所で育てましょう。春から秋は窓辺に、窓辺の気温が下がりやすい冬は窓辺から少し離れた場所で育てます。

金のなる木の育て方(水やりの仕方や肥料のあたえ方)

 金のなる木の鉢植えが用意できたら、定期的に水や肥料を与えてお手入れをしてあげましょう。

水やりの仕方

 金のなる木は水やりは控えめで乾燥気味に育てます。何週間も土が湿ったままだと根腐れを起こして枯れてしまうので、水やりのしすぎには注意しましょう。春から夏の成長しやすい期間は、土の表面が乾いたのを確認してから1日か2日ほど時間をあけて、鉢底から抜けるまでたっぷりと水を与えましょう。土の乾き具合がわかりにくい時は、葉っぱがしわしわになり始めるのを目安に水やりをしてもかまいません。

8月以降は土が乾いてから水を与えるまでの期間を徐々に空けていき、生育の鈍る冬は水やりの回数を月1~2回にします。1mを超える大型の場合は8~9月頃の水やりを極力控えることで、花が咲きやすくなるといわれています。

肥料のあたえ方

 肥料は4~7月の間2ヶ月に1回ほど固形のものを根本から離したところに置くか、薄めた液体肥料を10~15日に1回水やり代わりに与えてください。

管理時の注意点

 金のなる木を育てていると、突然、葉っぱがポロポロと落ちることがあります。これは、日照不足や水の管理がうまくいかず、根腐れを起こしたことが原因と考えられます。特に、気温や日照時間が変化する夏から秋にかけては葉っぱが落ちやすいので注意してください。

日照時間が減り、気温が下がるとこれまでと同じ水やり頻度ではいけません。土が乾燥しきらず、根腐れを引き起こす可能性が高くなります。

季節の変わり目である9~10月以降は、土の表面が乾燥したのを確認した後、さらに数日時間を空けてから水やりを行うようにしましょう。日当たりが悪い場合は窓辺などに移動させて日光を確保してみてください。

 金のなる木を鉢植えにしてから時間がたつと、根が鉢いっぱいに広がっていきます。鉢植えにして2~3年もすれば、土の中が根でいっぱい(根詰まり)になってだんだんと葉っぱが枯れていくかもしれません。そうならないように鉢植えで2〜3年たった苗や、店舗などでずっと鉢植えにされていた植え替えが必要と言われた苗は、4〜10月の間に植え替えをしましょう。根についた土を落とせるだけ落として、腐っている部分はハサミで切り取ってから植え直してください。同じサイズの鉢に植え替えるときは、伸びすぎた根を切り捨てましょう。その際、全体の形を整えながら葉っぱも同じ割合だけ数を減らしてください。できれば切ったあとの回復が早い4~6月に行うのがおすすめです。

増やしかた

 金のなる木は、挿し木によって簡単に増えていきます。適期は4月から10月。

下の葉を切り取って、乾かして後、水はけの良い土(多肉植物用の土が好ましいです)に挿してください。しばらくすると根が出てきます。

多肉植物なので、挿し葉によっても増やすことができます。やり方としては、葉の根元が潰れていないキレイで大きな個体を選び、2日ほど日陰で乾かしてから、葉を並べます。あまり日当たりの良いところに置くと、葉が乾燥しすぎてしまうので、室内で試みてください。

そして、根が出てきたら、土で覆ってやり、大人の個体と同じように育てます。芽が出て、根を張りはじめたら、葉挿しに使用した古い葉は切り取ってください。