かき(柿)

カキは育てやすく、家庭果樹として最も推奨すべき果樹の一つです。ただ、ヘタムシや落葉病には注意が必要です。また、カキは枝先に花芽ができるため、枝先を切り詰めると結実しにくいので、剪定にも注意が必要です。カキには、甘ガキと渋ガキがあります。さらに甘ガキには完全甘ガキと不完全甘ガキがあり、完全甘ガキはタネの有無にかかわらず甘いですが、不完全甘ガキは果実の中にタネができないと甘くなりません(渋い)。不完全甘ガキにタネを入れるには、‘禅寺丸’や‘筆柿’など雄花のつく品種をそばに植えるか、枝の一部に雄花のつく品種をつぎ木するなどの対策が必要です。


栽培環境・日当たり・置き場所

日光を好むので、庭植えの植えつけ場所、鉢植えの置き場とも日当たり良好な場所を選びましょう。

水やり

鉢土の表面が白く乾いたら、鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えます。庭植えの場合は、夏にひどい日照りが続くような場合は水やりが必要になります。

肥料

元肥を庭植えは12月から1月に、鉢植えは2月に、追肥を庭植え、鉢植えともに7月、10月に施します。庭植えでは、元肥、追肥とも化成肥料(チッ素N‐リン酸P‐カリK=8‐8‐8など)を用いますが、化学肥料は最小限度に抑えて、できるだけ堆肥などの有機物を施すことが大切です。家庭で出る草や生ゴミなどを有効に利用しましょう。鉢植えでは、元肥には有機固形肥料を、追肥には緩効性化成肥料を用います。

病気・害虫

病気:落葉病など
落葉病は、葉に黒い斑点ができて秋口から落葉し、ひどい場合は葉がほとんど落ちてしまいます。早く葉を失うので、樹勢が弱り、なった果実もおいしくありません。落ち葉の処理と殺菌剤による防除を行います。
害虫:ヘタムシなど
ヘタムシはカキミガの幼虫で、へたから果実に食い入り、落果させます。6月と8月の2回発生しますが、特に8月の防除が大切です。

管理作業

剪定:花芽は枝先の数節(長い母枝にはさらに多くつく)につき、花芽から新梢が伸び、その葉腋に着果します。そのため、枝先を切り詰めると花芽を落とすことになります。しかし基本的には、よい母枝を残し、ほかのかなりの枝は基部から切除、一部を短く切って予備枝とします。適期は12月から2月です。
人工受粉:不完全甘ガキを植えている場合は、タネを入れるために人工受粉をするとよいでしょう。‘富有’など完全甘ガキでも生理落果しやすい品種は、農家では人工受粉を行いますが、家庭ではそれほど問題にしなくてよいでしょう。
摘蕾、摘果:隔年結果防止に大きな効果があります。カキは蕾が大きく数も少ないので、5月中旬に摘蕾を行い、最後の仕上げを摘果で行うのがよいでしょう。

 

カキ(柿)実が落ちる理由は?

1.生理落果によるもの
カキ(柿)は実がついた後、
カキ自身で実を落とす生理落果を起こします。
カキの生理落果は、実が生長している6月中頃から7月中頃に、
ヘタごと落ちてしまうのが特徴です。 

これは病気などではなく、受粉不良の実や多すぎる実などを、
自然に落とす行為なので、あまり心配はありません。
ただ、日当たりや風通しが悪いなど、環境が悪くなっている場合、
余計に実を落としている可能性があります。
枝が混んでいる部分は、間引き剪定をして、
株の中心まで風通しと日当たりが良い状態にしておきましょう。

 

 2.受粉ができていないため

カキは雌花だけ咲かせる品種=「富有」「早秋」「平核無」が多く、
雌雄両方の花を咲かせる「禅寺丸」「筆柿」「西村早生」などの、
授粉木を近くに植えたり人工授粉すると、実が落ちることが少なくなります。

3.害虫の被害
カキノヘタムシガという虫の幼虫が、ヘタと実の間に入り込み、食害した上実を落としてしまいます。
実が青い時期にも、ボトリと実を落とすので、生理落果に似ていますが、
生理落果の場合はヘタごと実が落ちます。カキノヘタムシガの幼虫が原因の場合は、ヘタが枝に残り、実の部分だけが落ちてしまうので、そこで区別することができます。
カキノヘタムシの被害に気付いてから薬剤を散布しても、効果は少ないことが多いので、適期に薬剤散布で予防する必要があります。カキノヘタムシは、6月~7月と8月~9月の年2回発生します。そのため、6月と8月に専用の薬剤を散布して防除することができます。また、カキの休眠期に荒皮削りを行うのも、有効な防除方法です。表皮をどこまで削っていいか不安など、
荒皮削りを行う自信がない場合もあるでしょう。その場合は、適期の薬剤散布だけでも効果はありますので、まずはそちらを試してみましょう。

4.病気のため
実に黒い斑点ができ、そのうち実が落ちてしまう症状が出た場合、
炭そ病にかかっている可能性があります。
最も特徴的なのは、実に黒い斑点が出ることです。症状が実だけではなく、葉・枝・実それぞれに黒い斑点が出ます。年に数回発生しやすい時期がありますが、いずれも雨の多い時期で、枝が混みあっていて風通しが悪かったり、日当たりの悪い部分があったりすると発生しやすくなります。
炭そ病は専用の薬剤を3月頃と4月頃に散布することで防除できます。また、カキが休眠期の間も、枝などに菌が付着した状態で越冬するので、休眠期の間にも薬剤散布しておくと安心です。

 

柿の雌花

柿の雄花

炭そ病


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